日立建機(6305)

日立、日立建機を売却へ 産業革新投資機構が出資検討

日立製作所が上場子会社である日立建機の株式の一部を売却する検討に入ったことが23日分かった。産業革新投資機構(JIC)などが出資を検討している。日立は成長の軸に掲げるIT(情報技術)とのシナジーの薄い上場子会社の整理を進めてきた。日立は日立金属についても売却の検討を進めており、実現すれば日立が約10年にわたって取り組んできた構造改革の仕上げとなる。

日立建機は東証1部上場で日立製作所が約51%の株式を保有している。このうち約半数の保有株を売却する方向で検討する。再編機運が高まるなかで、建機の株価は足元で3700円前後と今年3月下旬時点の2倍近い水準で推移しており、一定の割引をした上で売却する可能性もある。

建機は日立が注力する独自のIoT基盤「ルマーダ」を活用した大型建機の自動運転などのシステムも手がける。日立本体との相乗効果も見込めることから日立は一定の保有株を残し、協業関係は維持する方針。日立建機は日立の傘下から外れても当面はグループ会社として日立ブランドを活用して、グローバル市場での成長戦略を進めていく。

日立製作所には09年時点で22社の上場子会社があった。だがリーマン・ショック後の09年3月期に7873億円の巨額最終赤字を計上したことを機に、「世界で戦える形」(東原敏昭社長)への構造改革を進め、そのなかで上場子会社の再編に取り組んできた。

今年4月には日立グループの「御三家」の一角だった日立化成を昭和電工に売却。一方、検査機器などを手がける日立ハイテクは完全子会社として取り込み、残る上場子会社は建機と日立金属の2社のみになっていた。

日立は現行の中期経営計画が終了する21年度末までに上場子会社について、本体に取り込むか、売却するかを判断するとの方針を掲げており、行方が焦点となっていた。

日立建機の21年3月期の連結純利益は前期比51%減の200億円の見通し。新型コロナウイルスの影響で欧米の建機販売が落ち込み、4~6月期の純利益は前年同期比99%減の2億円だったが、中国やインドネシア向けが持ち直している。